姿勢改善
胸椎について考える
- 公開日:
- 2023-02-28
みなさんこんにちは。マイセルフの小塚です。
前回は骨盤と腰椎の話が中心でした。今日は胸椎(脊柱)の話をしていきたいと思います。
なぜこのタイミングで胸椎の話なの?そのまま下半身の筋トレに入っていかないの?と思われる人もいると思います。
結果として、胸椎の動きができないと下半身の筋トレも上半身の筋トレも正しくできないからです。
「股関節のメニューをしているのにうまくできない」「肩甲骨を動かしているのに肩の痛みがとれない」
「上半身も下半身も柔軟性があがらない」
そんな悩みをお持ちの人におススメの記事になります。
この記事の内容を理解して、実践すれば「なんでうまくいかないのか」がわかるようになります。
胸椎とは何かを説明することからはじめます。その後、なぜそれらが重要かを説明していきます。
基礎知識:胸椎(脊柱)の伸展とは?
胸椎(脊柱)の伸展とは、背中を反らす動きになります。
主な筋肉としては、「腸肋筋」「最長筋」「棘筋」「多裂筋」「肋骨挙筋」があげられます。
(胸椎を動かす機能の筋肉、回旋の機能を持つ筋肉はまだまだほかにあります)
これらの筋肉は、脊柱に細かく深層で付着しているため、「ほぐす」ことができません。
結果として、胸椎の動きを出すには、動かしていくことが必要になります。
※解剖学でいうと、「胸椎の伸展」という表記はありません。脊柱の伸展で表記されています。
ここでは、わかりやすく胸椎伸展という言葉を使っていきます。
基礎知識:胸椎伸展と肩甲骨の動きは別
肩甲骨を真ん中に寄せれば背筋が伸びると思っている人が多くいます。これは、間違いなので気を付けましょう。
肩甲骨を動かしても胸椎は伸展してくれません。
なによりも、肩甲骨を動かす筋肉に、脊柱を動かす作用はないからです。
基礎知識:胸椎と腰椎の関係
脊柱は「頸椎」「胸椎」「腰椎」に分かれます。
分かれているおかげで、一本の脊柱でも別々の動きができます。
そのおかげでよくも悪くもさまざまな動きが可能となるのです。
腰椎が後湾しつつも、胸椎が伸展することが可能です。腰椎が前弯(反り腰)しつつも、胸椎が後湾(猫背)することが可能です。
基礎知識:胸椎と回旋
胸椎の伸展をおこなう筋肉には、回旋の作用も持っています。
伸展と同様、回旋の動作をおこなうと柔軟性と筋肉の強化をおこなうことができます。
注意:腰椎が硬い状態で、胸椎の回旋動作をおこなうと腰を痛めます
胸椎の動きを良くする理由
理想的な姿勢の定義を「腰椎と骨盤が良く動くこと」とお話ししたことがあると思います。
なぜ、腰からなのか?胸椎からよく動くようにしたらダメなのか。
理由は、腰が柔らかくないと胸椎の動きを良くする動きができないからです。
腰が動かない人に胸椎の伸展をさせると、腰を反ってしまい、腰にはいる負担が大きく痛めてしまいます。
腰が動かない人が、仰向けで寝ると腰が痛む。腕を上に伸ばす動作で、腰を痛める。
結論として、腰椎と胸椎の動きが出なければうまくいきません。
胸椎はどのように動かしていけばよいか
胸椎の動かし方のポイントは、胸椎しか動かない状況をつくってあげることです。
実施に動かしていきましょう。
実技:胸椎伸展
バンザイ
胸椎を伸展させるメニューになります。
ステップ1:四つん這いになり、手の位置は肩より前に置きます。
ステップ2:お尻を後ろに引きながら背中を反らしていきます。
注意点:目線はしっかり前を向き背中を反らせるようにしてください。背中が丸まってしまっては効果がでません。
胸椎回旋
胸椎を中心に上半身を回すメニューになります。
ステップ1:足を広げて四つん這いにまります。
ステップ2:片手を頭の横に持ってきて、ゆっくり上半身を回していきます。
ステップ3:支えている肘は曲がりながら、手を伸ばし身体を回していきます。
注意点:肩甲骨を真ん中に寄せて離す動きとは違います。
キャット&ドッグ
腰椎から胸椎の伸展をおこないます
ステップ1:四つん這いになります。
ステップ2:腰、背中を丸めます。
ステップ3:肩の位置を丸めた状態から変えずに、脊柱を伸ばしていきます
注意点:肩甲骨が真ん中に寄らないように注意してください。
動作確認
胸椎の伸展ができているか、どうかの確認方法は、ローイングを使って確認していきます。
ローイング
座った状態で、肘を後ろに引いてきます。
ステップ1:胸椎を伸展させます
ステップ2:伸展させたまま、肘を引いてきます
注意点:初動で肩甲骨を真ん中に寄せないように注意してください。
胸椎の伸展ができていれば、肩甲骨の外側から下にかけて筋肉の収縮を感じます。
ローイングがうまくできなかった場合
できなかった分析をしていきましょう。
上記で話した通りで、腰が良く動く状態でないと胸椎の伸展ができません。
ここからは、さまざまな可能性が出てきます。
この可能性を一づつ試していく作業にはいります。この経験が、サービスを提供する際に非常に役立ちます。
ここでの可能性をリストにします。
1.腰の反りが強く、胸椎が動いていなかった
2.肩甲骨ばかりうごいて、胸椎が伸展できていなかった
3.腰の柔軟性が低く、胸椎が伸展できない状態にあった
4.動く柔軟性はあるが、動かす意識の仕方を間違えていた
1の場合
姿勢の修正、動きの確認で正しくおこなえる可能性があります。
2の場合
胸椎の伸展ができていないのか、できないのかを見極める必要があります。
3の場合
腰のうごきを良くするメニューに戻る必要があります。
分析をおこない、自分ができなかった原因を突き止めることは、机上の空論と違い
自分の知識、経験になります。
できなかった原因を考え、後日チェックと答え合わせをおこないましょう。
4の場合
胸椎の動かし方の意識をかける必要があります。
本当に胸椎が伸展できているのか確認しましょう。
自分がどの動きが胸椎の伸展がおこないやすいか振り返ってみましょう。
まとめ
今日は、胸椎についてお話しました。
結論として、胸椎の伸展は背骨でおこなうことが大切です。
肩甲骨は関与しません。
定期的に肩甲骨を動かすことは必要です。しかし、胸椎の伸展ができていない状態で動かしても
求めているような効果はでません。
まずは、腰と背中。背骨が良く動くようにしていきましょう。