ジュニア
若手テニス選手のサーブ能力を飛躍的に向上させる方法: 6週間のアイソメトリックトレーニング
- 公開日:
- 2024-10-17
サーブはテニスにおける最も重要な技術のひとつです。速度と精度が試合の勝敗に大きな影響を与えます。しかし、これらをバランスよく向上させることは難しいと感じる選手も多いでしょう。今回は、若手競技テニス選手が、6週間の特定関節に対するアイソメトリック筋力トレーニングを取り入れることで、どのようにサーブ速度を向上させることができるかを紹介します。この方法は、従来のトレーニングに加えて実施するだけで、サーブ速度を効果的に改善できる可能性があります。
6週間のトレーニングで得られる成果
研究によると、16名の若手テニス選手を対象に、6週間にわたって肩内旋と肩屈曲の動作に焦点を当てたアイソメトリック筋力トレーニングを実施した結果、サーブ速度が平均7.0%向上したことが確認されました。これは、練習中のサーブに取り組んでいる選手にとって、大きなアドバンテージとなります。
具体的には、以下のような変化が見られました。
- サーブ速度が7.0%向上(効果量 = 0.87)
- 肩屈曲における力発揮速度は、150msで30.4%、200msで36.5%、250msで43.7%増加
- 肩内旋(SHIR)のインパルスも150msで35.7%、200msで33.4%、250msで35.6%向上
これらの結果から、特定のアイソメトリックトレーニングを実施することで、サーブ速度を劇的に向上させることができることがわかります。
トレーニングの概要
このトレーニングは、主に肩周辺の筋力向上を目的としています。アイソメトリックトレーニングは、筋肉を一定の長さで収縮させることで筋力を鍛える方法です。そして、動きがない状態で筋肉に負荷をかけます。この方法は、特に筋力発揮速度や力の効率を向上させるのに適しています。肩内旋や屈曲の筋力が向上することで、サーブのパワーを最大限に引き出すことができ、結果としてサーブ速度が上がるのです。
なぜサーブ精度は変わらなかったのか?
興味深いことに、このトレーニングによってサーブ速度は向上したものの、サーブ精度には顕著な変化が見られませんでした。これにはいくつかの理由が考えられます。サーブの精度は、筋力だけでなく技術やバランス、タイミングの要素が大きく影響します。したがって、サーブの速度向上に集中しつつ、精度向上には技術的な練習を並行して行うことが重要です。
コントロール群との違い
研究におけるコントロール群(特定の筋力トレーニングを行わなかったグループ)では、サーブ速度やその他の筋力関連の指標に変化が見られませんでした。これにより、アイソメトリックトレーニングがサーブ速度向上に有効であることが裏付けられます。
結論
テニスのサーブ速度を向上させたいと考える若手選手には、6週間の特定関節に対するアイソメトリック筋力トレーニングが非常に効果的です。このトレーニングは、従来の技術的な練習と組み合わせることで、サーブ精度に影響を与えることなく、スピードを劇的に改善することができます。これにより、より強力で効果的なサーブを打つための土台を築くことが可能です。
この記事を参考に、日常のトレーニングに取り入れてみてください。持続的な努力が、試合でのパフォーマンス向上につながります!
参考文献
Six-Week Joint-Specific Isometric Strength Training Improves Serve Velocity in Young Tennis Players.
Baiget, E., Colomar, J., & Corbi, F. (2022).