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同じトレーニングでもやり方は人それぞれ|50代から自分に合った運動を始める方法
- 公開日:
- 2026-07-03
筋力トレーニングを始めようと思って動画やSNSを見ると、スクワットやベンチプレスなど、さまざまな種目の「正しいフォーム」が紹介されています。
しかし、紹介された方法をそのまま試しても、動きやすい人もいれば、うまくしゃがめない人や、膝や腰に違和感を覚える人もいます。
これは、誰かのフォームが間違っているという単純な話ではありません。トレーニングの目的に加えて、関節の動きやすさ、筋力、運動経験、身体のコントロール能力には個人差があるからです。
同じメニューを行う場合でも、全員が同じ深さ、足幅、重量で行う必要はありません。大切なのは、種目名だけをまねるのではなく、自分の目的と身体の状態に合った方法を選ぶことです。
同じ種目でも、目的が違えばやり方は変わる
筋肉を大きくすることを目的としたトレーニングと、特定の動作で重い重量を持ち上げることを目的としたトレーニングでは、同じ種目を使うことがあります。
たとえば、スクワットは太ももやお尻の筋肉を鍛える目的でも使われますし、スクワットという動作そのものの最大重量を伸ばす目的でも使われます。
見た目は同じスクワットでも、何を重視するかは異なります。
筋肉への刺激を重視する場合
筋肉を大きくすることを目的とする場合は、狙った筋肉に負荷がかかっているかを重視します。
- 対象となる筋肉を使えているか
- 反動に頼らずに動けているか
- 負荷が別の部分へ逃げていないか
- 動作を自分でコントロールできているか
扱える重量を増やすことよりも、狙った部分に負荷をかけたまま動作を続けることが優先される場合があります。
特定の動作で強くなる場合
スクワットやベンチプレスなど、特定の動作で重い重量を持ち上げることが目的の場合は、身体全体を協調させて、効率よく動くことが重要になります。
- 毎回同じフォームを再現できるか
- 安定した軌道で動かせるか
- 複数の筋肉を協調させられるか
- 次の練習に影響するほど疲労を残していないか
この場合は、特定の筋肉に強い使用感があるかどうかよりも、決められた動作を安定して行えることが重視されます。
筋肉を大きくする方法と、動作で強くなる方法のどちらが正しいということではありません。目的が違えば、適切なフォームや負荷の考え方も変わります。
目的が同じでも、適切なやり方には個人差がある
トレーニングの目的が同じであっても、全員が同じ方法で行う必要はありません。
たとえば、健康維持や脚の筋力を高めるためにスクワットを行う場合でも、次のような違いがあります。
- 股関節を曲げやすい人と、曲げにくい人
- 足首が動きやすい人と、動きにくい人
- 深くしゃがんでも姿勢を保てる人と、途中で姿勢が崩れる人
- 運動経験がある人と、ほとんど運動をしてこなかった人
- 左右を同じように使える人と、左右差が大きい人
こうした違いがあるため、スクワットというメニュー名が同じでも、実際のやり方は変わります。
調整できる項目には、次のようなものがあります。
- 足幅
- つま先の向き
- しゃがむ深さ
- かかとの高さ
- 椅子や支えの使用
- 負荷を持つ位置
- 使用する重量
- 動作速度
- 反復回数
同じメニューを行うことと、全員が同じフォームで行うことは同じではありません。

50代からは年齢ではなく、現在の身体の状態を確認する
50代以降のトレーニングでは、年齢だけを理由に種目や重量を一律に決めることはできません。
同じ年齢でも、これまでの運動経験、現在の筋力、関節の動きやすさ、回復状態、生活の目的は異なります。
重い重量を扱ってはいけないということではありません。一方で、身体の状態や技術に合わない重量を使うと、姿勢が崩れたり、別の部分に負担が集中したりすることがあります。
重量を増やす前に、まず次の点を確認することが大切です。
- 痛みや強い違和感がないか
- 自分で動作を止められるか
- 反動を使わずに動けるか
- 呼吸を続けながら動けるか
- 同じ動きを安定して繰り返せるか
深く動くことや、重い重量を持つことだけがトレーニングの成果ではありません。現在の身体でコントロールできる範囲を見つけることが、その後の負荷向上につながる土台になります。
筋肉を使っている感覚は、動きを理解するための手がかり
トレーニングでは、「どこに効いているか」という感覚がよく話題になります。
筋肉に強い刺激や燃焼感があったからといって、必ずしも効果が高いとは限りません。筋肉痛の強さだけでトレーニングの良し悪しを判断することもできません。
ただし、運動経験が少ない人にとって、どの部分を使っているかを感じることは、身体の動きを理解するための手がかりになります。
たとえば、太ももを使う目的で動いているのに、腰や肩ばかりが疲れる場合は、重量、姿勢、可動域、種目の選び方を見直す必要があるかもしれません。
大切なのは、使用感だけで効果を判断することではありません。
- 狙った部分を認識できるか
- 姿勢を保てているか
- 動作を安定して繰り返せるか
- 無理なく継続できるか
これらを合わせて確認する必要があります。
繰り返した動作に、筋肉と身体の使い方が適応する
筋力は、筋肉の大きさだけで決まるものではありません。
同じ動作を繰り返すことで、筋肉の太さや筋束の角度など、筋肉の内部構造に一定の適応が起こる可能性があります。また、神経系や動作技術も、繰り返した種目に特異的に適応していきます。
これは、筋線維が動作の軌道に合わせて文字どおり並び替わるという意味ではありません。
一般的には、トレーニングを繰り返すことで、筋肉だけでなく、身体の動かし方も少しずつその動作に慣れていくと考えると分かりやすいでしょう。
そのため、どのようなフォームでも繰り返せばよいわけではありません。安定してコントロールできる動きを反復し、必要に応じて少しずつ負荷や可動域を変えていくことが重要です。
同じスクワットでも方法は変えられる
ここでは、同じスクワットを身体の状態に合わせて変える想定例を紹介します。実在する利用者の事例ではありません。
想定例1:深くしゃがむと姿勢が崩れる人
深くしゃがもうとすると背中が大きく丸まったり、かかとが浮いたりする場合は、最初から深いスクワットを目指す必要はありません。
椅子を目安にして、姿勢を保てる範囲までしゃがむ方法が考えられます。
想定例2:支えがないと不安定になる人
バランスに不安がある場合は、壁や安定した支えを利用して動作を確認する方法があります。
支えを使うことは、簡単な方法へ逃げることではありません。現在の身体で安全に動きを練習するための調整です。
想定例3:動作が安定している人
自分で姿勢や可動域をコントロールできる場合は、目的に応じてダンベルなどの負荷を加え、少しずつ筋力向上を目指すことができます。
この3つは、すべてスクワットです。しかし、身体の状態が違えば、適切な深さや負荷も変わります。

MYSELFでは、動作を確認してから方法を調整する
MYSELFでは、決められたメニューを全員に同じ方法で行ってもらうのではなく、現在の動作を確認しながら実施方法を調整します。
特に重視しているのは、次の2点です。
現在コントロールできる可動域を確認する
単にどこまで大きく動けるかだけではなく、その範囲で姿勢を保ち、反動に頼らず、元の位置まで戻れるかを確認します。
無理に広い可動域を求めるのではなく、現在安定して使える範囲から始めます。
本人が筋肉の使用感を理解できる方法を選ぶ
最初から重量を増やすことだけを優先せず、狙った筋肉を使えていることが本人にも分かり、動作を自分でコントロールできる方法を選びます。
動きが安定した後に、回数や重量を段階的に増やしていきます。
筋力向上を避けるのではなく、筋力を高めるための準備を整えてから負荷を上げるという考え方です。
何から始めればよいか分からない人が確認したい3つのこと
トレーニングを始めるときは、最初から細かな理論や多くのメニューを覚える必要はありません。
まずは、次の3つを確認してください。
- 痛みや強い違和感がないか
- 自分でコントロールできる範囲はどこまでか
- 何のためにそのトレーニングを行うのか
筋肉を大きくしたいのか、日常生活に必要な筋力をつけたいのか、特定の種目で強くなりたいのかによって、選ぶ方法は変わります。
目的が決まったら、軽い負荷や支えのある方法から始め、安定して反復できるようになってから負荷を調整します。
他人と同じ重量やフォームで行うことを目標にする必要はありません。昨日の自分よりも安定して動けたか、自分に合った方法で継続できているかを確認することが大切です。
同じメニューでも、自分に合った方法を選ぶことが大切
筋肉を大きくするトレーニングと、特定の動作で重い重量を持ち上げるトレーニングでは、同じ種目を使っていても重視する点が異なります。
さらに、目的が同じであっても、関節の動き、筋力、経験、身体のコントロール能力によって、適切な実施方法には個人差があります。
正しいトレーニングとは、全員が同じフォームで行うことではありません。
現在の身体で安定して動ける範囲を確認し、目的に合った負荷やフォームを選ぶことが重要です。
自分では可動域やフォームを判断しにくい場合や、何から始めればよいか分からない場合は、身体の動き方を確認したうえで方法を選ぶことが、無理なくトレーニングを続けるための一つの選択肢になります。
なお、安静時にも強い痛みがある、夜間痛が続く、しびれや感覚異常がある、急激な筋力低下がある、運動によって症状が強くなるといった場合は、自己判断で運動を続けず、状態に応じて医療機関などへ相談してください。
身体について何から始めればよいか分からない方へ
MYSELFの評価は、理想的な姿勢と比較して身体の欠点を並べるためのものではありません。
今の身体がどこまで無理なく動けるのかを確認し、その人が望む生活へ向かうための出発点を決めるために行います。
病名や痛みの原因を診断するのではなく、安全に運動を開始できるか、何を優先するか、どの条件から始めるかを判断します。
確認する項目
- 現在、身体について何に困っているか
- 生活の中で何がやりにくくなったか
- 取り戻したい具体的な行動
- 現在の可動域や身体のコントロール
- 代償動作
- 安全に運動を開始できる範囲
- 今、優先すること
- まだ行わない方がよいこと