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高齢者に対するレジスタンストレーニングの重要性

公開日:
2024-06-30

皆さんこんにちは。今回は、高齢者における筋肉減少症(サルコペニア)とその対策としてのレジスタンストレーニングの効果についてお話します。この記事では、最新の研究結果を基に解説します。なぜレジスタンストレーニングが高齢者の健康維持に不可欠であるかを詳しく話します。そして、50歳以上の方々が、取り入れやすいトレーニング方法を紹介します。

サルコペニアとは?

サルコペニアは、年齢とともに進行する筋肉量と筋力の低下を指す医学用語です。この状態は、50歳を過ぎると毎年1〜2%の筋肉量が減少し、60歳以降は筋力も1.5%ずつ低下するとされています。サルコペニアが進行すると、転倒や障害のリスクが高まり、生活の質が大幅に低下します。

レジスタンストレーニングとは?

レジスタンストレーニングとは、筋肉に負荷をかけることで筋力や筋肉量を増やすトレーニング方法です。ダンベルやバーベル、弾性バンド、ケトルベルなどの器具を使用します。また、自重を利用したトレーニングも含まれます。これらのトレーニングは、適切な負荷と反復を通じて筋肉を効果的に刺激し、筋力を向上させます。

最新研究の概要

最近発表されたメタ分析の研究(Zhao et al., 2022)によると、レジスタンストレーニングは高齢者のサルコペニア改善に非常に有効であることが示されています。この研究では、13のランダム化比較試験(RCT)が分析され、合計569人の高齢者が参加しました。以下に、その主な結果を示します。

1.握力の改善 

レジスタンストレーニングをおこなったグループでは、握力が有意に改善がありました。握力は、日常生活の中で物を持つ、ドアを開けるなどの基本的な動作に必要な力です。そして、握力の向上は生活の質を上げてくれます。

2.歩行速度の向上

トレーニングにより歩行速度も有意に向上しました。歩行速度は、転倒リスクの軽減や移動の自由度向上に重要な指標です。

3.骨格筋指数の増加

 筋肉量を示す骨格筋指数も改善されました。これにより、筋肉の質と量が向上し、全体的な健康状態の改善が期待できます。

最適なトレーニング方法

この研究によると、もっとも効果的なトレーニング方法はバンドを使用したトレーニングです。このトレーニングは以下の条件でおこうなと効果的です。

  • 1回のトレーニング時間:40分から60分
  • 週の頻度:3回以上
  • 継続期間:12週間以上

弾性バンドは比較的安価で持ち運びも容易なため、自宅で簡単にトレーニングを始めることができます。また、関節への負担も少なく、高齢者にも優しいトレーニング器具です。

トレーニングの実例

以下に、バンドを使用した具体的なトレーニング例を紹介します。

1.モンスターウォーク
 バンドを両足にかけ、肩幅に足を広げて立ちます。膝を曲げて腰を落とし、ゆっくりと歩きます。これを10歩3セット行います。

3.ローイング
 バンドを柱などに固定します。両手でバンドの端を持ちます。あとは、肩がすくまないように肘を後ろに引いてきます。

まとめ

レジスタンストレーニングを始める前に、必ず医師やトレーナーに相談し、適切な運動強度や方法を確認してください。また、無理をせず、自分のペースで徐々に負荷を増やしていくことが大切です。

サルコペニアは避けられない加齢の一部かもしれませんが、適切なトレーニングを通じてその進行を遅らせ、生活の質を向上させることが可能です。特に50歳以上の方々にとって、レジスタンストレーニングは健康維持の強力な味方となるでしょう。

皆さんも、今日から少しずつレジスタンストレーニングを取り入れ、健康で活動的な生活を送りましょう。

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